福島原発事故後、5年が経過しようとしていますが、賠償問題や被害者の生活再建などの面から見ると、原発事故の被害は全く収束しておらず、形を変えて拡大しています。この先、原発事故の影響はどこまで続くか想像もできません。「事故後5年」といっても、実は、現在の被害発生が、ほんの初期段階に過ぎないのではないかと思わざるを得ません。

長期避難は、特に高齢者の方々に、ストレスや疲労、生活不活性化、孤立化をもたらし、心身の健康を保つための積極的政策が喫緊の課題になっています。

避難区域か否かを問わず、営業損害を中心とする金銭賠償に一方的に「終期」が設定され、止められようとしています。今後の再建の見通しが立たず、途方に暮れている事業者も多数いらっしゃいます。

被害は、原発事故からの直接の被害ばかりではありません。事故処理のための賠償や政策により、この地域社会に広く「紛争の火種」がもたらされていると感じざるを得ません。賠償をめぐる親族間紛争や成年後見事件、避難に伴う家族間紛争、不動産をめぐる紛争、除染業務をめぐる紛争など、原発事故が火種となり、様々な紛争を誘発しているのが、現在の状況です。

このような混沌といえる状況で大切なことは、「法の支配」に従った紛争解決であると思います。事故後5年、いよいよこれから法律家にとっての本番が始まります。法律家が闘い、社会正義にかなった結果を勝ち取っていく段階にきています。

この1年、事務所員一同、皆さまから益々の信頼を得られるよう努力してまいります。どうかよろしくお願いいたします。

平成28年1月

弁護士 渡辺 淑彦
弁護士 松本 三加
弁護士 鎌田  毅
弁護士 三村 茂太



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