弁護士ノート
原発事故被災者向け法律相談会@双葉町役場
藤です。
今度の3月で東日本大震災から12年を迎えますが、現在も、原子力損害賠償・廃炉等支援機構において、定期的に、原発事故による損害賠償に関する相談会が実施されており、私も月に1,2回の頻度で担当させていただいております。
先日の相談会は、JR双葉駅前に建設された双葉町役場の庁舎内で開催されました。
双葉町は、震災後、福島県内で最も長く全町避難の状態が続き、今年の8月30日にようやく一部の地域で避難指示が解除され、9月5日に役場の業務も再開しました。
双葉町内での相談会の開催は今回が初めてで、JR双葉駅西側に建設されている復興住宅は現時点でまだ25戸しか完成していませんので、相談者が来るか不安がありましたが、少ないながらも相談者がおり、実のある相談会となりました。
現在、原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針の見直しが議論されており、追加賠償が決まれば、請求手続き等に関し、相談件数が増えることが予想されます。震災から時間が経過し、生活状況が震災直後から大きく変わり、賠償請求も一段落している人が多い中で、追加賠償が決まった場合、どのような内容の相談が来るのか、相談のニーズに応えるために何ができるか、わからないことばかりですが、引き続き、賠償問題を含む被災者からの相談には積極的に対応していきたいと思います。
双葉町のお隣の大熊町では、少しずつ避難指示が解除される地域が増え、新たな地域の活動拠点もできていました。
「KUMA・PRE」(福島県双葉郡大熊町大字下野上大野98-1)という場所で、大熊町に関する情報発信や地域イベントの場として、活用されています。期間限定のようですが、キッチンカーも出店していました。
コロナ禍もあり、あまり市外に足を運ぶことも少なくなりましたが、久しぶりに行ってみると、以前はなかったお店や建物ができていたり、少しずつインフラが整備されていく様子がうかがえます。街がどのようにして生まれ変わっていくのか、これからが楽しみです。